自分はこんなにも愛されていたのだと知った。
これは今だからこそ分かったのであって(いや、今も分かってはいないのかもしれないが)、その時は分かっていなかったのかもしれない。いや、分かっていなかったのだと思う。
その時は私はいつまでもあなたが私のことを無条件に愛してくれているものだと思っていた。そんなことはあるわけないのに。
なぜかよく分からないが自信、というか思い込みがあった。あなたには私がいないとダメなんだ、あなたを分かって、幸せにできるのは私だけなんだ。そんなモノ。
今思えばアホかと思う。
世界を見渡せば私より素敵な人はたくさんいるだろうし、うんぬんかんぬん、、、。
そんなことを言いたいわけではないが、じゃあなにが言いたいのかというと、私は愛を、愛するということを軽んじていたのだということ。
私は今でこそ、愛とは今この世の中で、生きている中で本当に美しく、尊く、深く、重く、それでいて色鮮やかで、鮮明で、心踊るような、
口にするものはなんでも美味しくて、会話がなくとも居心地が良くて、なんとなく相手のことが分かって、何かしてあげようって、たとえ世界が敵になっても私は味方でいようって、全部を受け入れて、裏切られてもいいやって、全て許せる
そんなことを思っていた。でも思っていただけだった。
もう全てが愛おしくて。愛おしくて。愛していて。
ただこれは一方通行で。
自分がこれだけ愛しているから相手も同じだけ愛してるとは限らなくて。
なかなか伝わらないもので。
私は自分がこんなに愛しているのだからあなたにももっと愛して欲しいと思っていた。
ただそんなことはなくて私は十分愛されていた。これ以上ないくらいに。
手紙を読み返すだけで伝わってきた。そこに全てがつまっていた。溢れんばかりの愛が。
私はこんなにも愛されていたのだと。
ただ気づいたときにはもう遅かった。全てが。
きっと私はこの世で一番大切なものを失ってしっまたのだろう。
もう取り返しのつかないそんなものを。
私はもうあなただけしか愛せない。
あなた以外とこれからを歩む気もない。
それだけ愛している。今も。
独りよがりな、あなたの幸せを願っている。