夏真っ盛りの8月、朝5:30 どうしても眠れなくてずっと起きていた。
陽はとっくに登り、あと数時間後には家を出なければいけない。
そんな時散歩をしようとふと思った。
今までしたことはなかったし、なぜそう思ったのかも分からない。
昨日読んでいた小説のせいだろうか。
鍵だけ持って家を出た。
8月といっても仙台の朝は夏とは思えないほどの涼しさで心地よかった。
雲ひとつない夏の空。真横からさす陽の光がとても眩しい。
私みたいに散歩をする人 ランニングする人 家のドアを全開にして掃除をするおばあちゃん
こっちのおじいちゃんは庭の手入れをしている
犬の散歩をするお母さん 自転車にまたがり部活へ行くだろう高校生
ちょっとスピードを出すトラックの兄ちゃん
どんどん自分の知らない道を進んでみる。まだ見ぬ景色を求めて。この時私は少年に戻る。
名前のない公園、いや本当はあるのかもしれない
プランターに植えられた朝顔、学校で植えたものだろうか、私もやったなと思い出す
どんな悪いことをしたらこんなに大きい家が建てられるんだという豪邸
街路樹の切り株から生えたきのこ
公園でラジオ体操をするおじいさん
朝の交通量が少ないことをいいことにしれっと信号無視をするおじさん。
おいおい朝からそんなに急いでどこへゆく
きっと夜には賑わうであろう焼肉屋も今は静かに息を潜めている。
仙台に住んで4年目になるが自分の知らないまちの顔がこんなにもあったことに驚く。
全く今まで私は何を見てきたのだ。
30分ほど歩いただろうか、そろそろ帰ろうと思い大通りに出る。いつの間にか道路を走る車は一気に増えていて心なしか気温も上がりやはり今は夏なんだと思い出させる。
そろそろ疲れた
慣れないことはするものではない
この辺りで今日は終わりにしておこう
家に着き コーヒーを淹れて一息つく 朝の散歩も悪くない
さて、今日も一日頑張るか